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バガヴァッド・ギーター第2章第5節

2010.03.09 Tuesday

गुरून् अहत्वा हि महानुभावान्
gurūn ahatvā hi mahānubhāvān
グルーン アハットヴァー ヒ マハーヌバーヴァーン
実に、威厳ある師たちを殺さないで


gurūn【男性・複数・対格】尊敬すべき人たちを、年長の人たちを、師たちを
ahatvā【絶対分詞 a√han】殺さないで、破壊しないで、始末しないで
hi【不変化辞】なぜならば、~のために;真に、確かに、実に
mahānubhāvān【男性・複数・対格】力強い、威厳ある、高徳の、高貴な

श्रेयो भोक्तुं भैक्ष्यमपीह लोके ।
śreyo bhoktuṁ bhaikṣyamapīha loke |
シュレーヨー ボークトゥン バイクシャマピーハ ローケー
この世で物乞いをして生きる方がよい


śreyas【中性・単数・対格、比較級】より良い、より優れた、より幸せな
bhoktum【不定詞 √bhuj】食べること、飲むこと、楽しむこと
bhaikṣyam【中性・単数・対格】施しもので生きること、物乞いをすること、乞食をすること
api【接続詞】~もまた、さえも、さらに
iha【副詞】ここで[へ・に];この世で、地上で
loke【男性・単数・処格】世界において、地上において

हत्वार्थकामांस् तु गुरून् इहैव
hatvārthakāmāṁs tu gurūn ihaiva
ハットヴァールタカーマーンス トゥ グルーン イハイヴァ
一方、役に立とうとする師たちを殺せば、この世で


hatvā【絶対分詞 √han】殺して、破壊して、始末して
artha【男性】財産、富、金;褒美;利得
kāmān【男性・複数・対格】欲望、願望、欲求;愛、享楽
→arthakāmān【男性・複数・対格、所有複合語】富を希う、有用になることを望む、目的を果たそうとする;富と享楽を
tu【接続詞】しかし、一方
gurūn【男性・複数・対格】尊敬すべき人たちを、年長の人たちを、師たちを
iha【副詞】ここで[へ・に];この世で、地上で
eva【副詞】実に、真に(強意を表す。しばしば虚辞として使用)

भुञ्जीय भोगान् रुधिरप्रदिग्धान् ॥
bhuñjīya bhogān rudhirapradigdhān ||
ブンジーヤ ボーガーン ルディラプラディグダーン
私は血に染まった享楽を味わうだろう


bhuñjīya【一人称・単数・アートマネーパダ・願望法 √bhuj】私は食べるだろう、私は食べるべき、私は食べるかもしれない
bhogān【男性・複数・対格】享楽を、快楽を、歓喜を;財産を
rudhira【形容詞】赤い、血の;血のように赤い、血で赤く染まった
pradigdhān【男性・複数・対格】~で塗られた、覆われた、染まった
→rudhirapradigdhān【男性・複数・対格、限定複合語】血で塗られた、血で汚された、血をまとう

गुरूनहत्वा हि महानुभावान् श्रेयो भोक्तुं भैक्ष्यमपीह लोके ।
हत्वार्थकामांस्तु गुरूनिहैव भुञ्जीय भोगान् रुधिरप्रदिग्धान् ॥ ५ ॥

gurūnahatvā hi mahānubhāvān śreyo bhoktuṁ bhaikṣyamapīha loke |
hatvārthakāmāṁstu gurūnihaiva bhuñjīya bhogān rudhirapradigdhān || 5 ||
実に、威厳ある師たちを殺さないで、この世で物乞いをして生きる方が幸せです。
役に立とうとする師たちを殺せば、私はこの世で、血に染まった享楽を味わうことになるでしょう。


※第2章第5~8節は、トリシュトゥブ(triṣṭubh)と呼ばれる、11音節×4行からなる韻律になります。
バガヴァッド・ギーターの大部分は、8音節×4行からなるシュローカ(śloka)の韻律で構成されます。

バガヴァッド・ギーター第2章第4節

2010.03.08 Monday

अर्जुन उवाच ।
arjuna uvāca |
アルジュナ ウヴァーチャ
アルジュナは言った


arjunas【男性・単数・主格】アルジュナは
uvāca【三人称・単数・パラスマイパダ・完了 √vac】彼は言った、彼は話した

कथं भीष्मम् अहं संख्ये
kathaṁ bhīṣmam ahaṁ saṁkhye
カタン ビーシュマム アハン サンキイェー
戦いにおいて、どうして私はビーシュマに


katham【副詞】どうして、いかにして
bhīṣmam【男性・単数・対格】ビーシュマに。カウラヴァ軍の軍司令官。アルジュナの大叔父。
aham【単数・主格、一人称代名詞 mad】私は、私が
saṁkhye【中性・単数・処格】戦いにおいて、戦いの中で

द्रोणं च मधुसूदन ।
droṇaṁ ca madhusūdana |
ドローナン チャ マドゥスーダナ
そしてドローナに、クリシュナよ


droṇam【男性・単数・対格】ドローナに。カウラヴァ軍につくクル族の軍師。アルジュナの弓術の教師。
ca【接続詞】そして、また、~と
madhusūdana【男性・単数・呼格】マドゥスーダナよ。クリシュナの別名。名前は「(悪魔)マドゥを殺す者」の意。

इषुभिः प्रतियोत्स्यामि
iṣubhiḥ pratiyotsyāmi
イシュビヒ プラティヨーツヤーミ
矢をもって対戦するだろう


iṣubhis【男性・複数・具格】矢によって、矢をもって
pratiyotsyāmi【一人称・単数・パラスマイパダ・未来 prati√yudh】私は戦うだろう、私は対戦するだろう

पूजार्हावरिसूदन ॥
pūjārhāvarisūdana ||
プージャールハーヴァリスーダナ
尊敬に値する二人に、クリシュナよ


pūjā【女性】尊敬;敬意、崇拝;礼拝、供養
arhau【男性・両数・対格】ふさわしい、~に値する、~に適する
→pūjārhau【男性・両数・対格】二人の尊敬に値する、尊敬に値する二人に
ari【男性】敵、対戦者
sūdana【男性・単数・呼格】殺戮者よ、破壊者よ
→arisūdana【男性・単数・呼格】敵の殺戮者よ。クリシュナの別名。

अर्जुन उवाच ।
कथं भीष्मम् अहं संख्ये द्रोणं च मधुसूदन ।
इषुभिः प्रतियोत्स्यामि पूजार्हावरिसूदन ॥ ४ ॥

arjuna uvāca |
kathaṁ bhīṣmam ahaṁ saṁkhye droṇaṁ ca madhusūdana |
iṣubhiḥ pratiyotsyāmi pūjārhāvarisūdana || 4 ||
アルジュナは言いました。
「戦いにおいて、私はどうして尊敬に値するビーシュマとドローナに
矢をもって立ち向かえるでしょうか。クリシュナよ。

バガヴァッド・ギーター第2章第3節

2010.03.07 Sunday

क्लैब्यं मा स्म गमः पार्थ
klaibyaṁ mā sma gamaḥ pārtha
クライビャン マー スマ ガマハ パールタ
アルジュナよ、気弱になってはいけない


klaibyam【中性・単数・対格】無能に;女々しさに、小心に、臆病に、虚弱に、小胆に、柔弱に
mā【副詞・接続詞】~するな、~することのないように
sma【副詞】つねに、実に、正に
gamas【二人称・単数・パラスマイパダ・アオリスト √gam】あなたは~(対格)に陥った、あなたは~(対格)に戻った
→klaibyam mā gamas:臆病に陥ってはならない、気弱になってはいけない
pārtha【男性・単数・呼格】プリターの息子よ。アルジュナのこと。

नैतत् त्वय्युपपद्यते ।
naitat tvayyupapadyate |
ナイタット トヴァイユパパッディヤテー
それはあなたにふさわしくない


na【否定辞】~でない
etat【中性・単数・主格、指示代名詞 etad】これは
tvayi【単数・処格、二人称代名詞 tvad】あなたにおいて
upapadyate【三人称・単数・アートマネーパダ・現在 upa√pad】それはふさわしい、それは~に適する、それは~に値する

क्षुद्रं हृदयदौर्बल्यं
kṣudraṁ hṛdayadaurbalyaṁ
クシュッドラン フリダヤダウルバリヤン
恥ずべき心の弱さを


kṣudram【中性・単数・対格】小さな、微少な;低俗な、卑しい、卑劣な、下品な、恥ずべき
hṛdaya【中性】心、心臓
daurbalyam【中性・単数・対格】弱さを、無能を、無気力を
→hṛdayadaurbalyam【中性・単数・対格】心の弱さを、気の小ささを、意気地のなさを

त्यक्त्वोत्तिष्ठ परंतप ॥
tyaktvottiṣṭha paraṁtapa ||
ティヤクトヴォーッティシュタ パランタパ
捨てて、立ち上がれ、アルジュナよ


tyaktvā【絶対分詞 √tyaj】捨てて、離して、手放して、放棄して
uttiṣṭha【二人称・単数・パラスマイパダ・命令法 ut√sthā】立ち上がれ、起き上がれ
paraṁtapa【男性・単数・呼格】敵を悩ます者よ。アルジュナのこと。

क्लैब्यं मा स्म गमः पार्थ नैतत् त्वय्युपपद्यते ।
क्षुद्रं हृदयदौर्बल्यं त्यक्त्वोत्तिष्ठ परंतप ॥ ३ ॥

klaibyaṁ mā sma gamaḥ pārtha naitat tvayyupapadyate |
kṣudraṁ hṛdayadaurbalyaṁ tyaktvottiṣṭha paraṁtapa || 3 ||
アルジュナよ、気弱になってはいけない。それはあなたにふさわしくない。
恥ずべき心の弱さを捨てて、立ち上がりなさい。アルジュナよ。

バガヴァッド・ギーター第2章第2節

2010.03.06 Saturday

श्रीभगवान् उवाच ।
śrībhagavān uvāca |
シュリーバガヴァーン ウヴァーチャ
クリシュナは語った


śrībhagavān【男性・単数・主格】栄光ある方、神聖な神、威厳ある尊者。ここではクリシュナのことを指す。
uvāca【三人称・単数・パラスマイパダ・完了 √vac】彼は言った、彼は語った

कुतस्त्वा कश्मलम् इदं
kutastvā kaśmalam idaṁ
クタストヴァー カシュマラム イダン
どこからこの弱気はあなたに


kutas【疑問副詞】誰から、どこから、何故に、どんなふうに、いわんや~をや
tvā【単数・対格、二人称代名詞(附帯形) tvad】あなたに
kaśmalam【中性・単数・主格】小心は、臆病は、弱気は;優柔不断は;失望は、落胆は
idam【中性・単数・主格、指示代名詞 idam】これは

विषमे समुपस्थितम् ।
viṣame samupasthitam |
ヴィシャメー サムパスティタム
危機において、近づいた


viṣame【男性・中性・単数・処格】難事において、災難において、困難において、逆境において、危機において
samupasthitam【中性・単数・主格、過去受動分詞 sam-upa√sthā】近づいた、生じた、起こった

अनार्यजुष्टम् अस्वर्ग्यम्
anāryajuṣṭam asvargyam
アナーリヤジュシュタム アスヴァルギヤム
貴人の意に適わず、天界に導かない


anārya【形容詞】不名誉な、尊敬できない、不品行な、劣った;アーリヤ人(ヴァイシャ以上の階級の人、尊敬すべき人、貴人)でない
juṣṭam【中性・単数・主格】~の意に適う、~に好まれる、~に受け入れられる、~に望まれる
→anāryajuṣṭam【中性・単数・主格】貴人の意に適わない、貴人に望まれない、貴人に好まれない
asvargyam【中性・単数・主格】天界に導かない。(svarga 天界)

अकीर्तिकरम् अर्जन ॥
akīrtikaram arjana ||
アキールティカラム アルジュナ
不名誉をもたらすこと、アルジュナよ


akīrti【女性】不名誉、汚名、悪名、悪評
karam【中性・単数・主格】もたらすこと、作ること、産出すること
→akīrtikaram【中性・単数・主格、限定複合語】不名誉をもたらすこと、汚名をそそぐこと
arjuna【男性・単数・呼格】アルジュナよ

श्रीभगवान् उवाच ।
कुतस्त्वा कश्मलमिदं विषमे समुपस्थितम् ।
अनार्यजुष्टमस्वर्ग्यमकीर्तिकरमर्जन ॥ २ ॥

śrībhagavān uvāca |
kutastvā kaśmalamidaṁ viṣame samupasthitam |
anāryajuṣṭamasvargyamakīrtikaramarjana || 2 ||
クリシュナは語りました。
危機に際して、この弱気はどこからあなたに近づいたのか。
それは貴人にそぐわず、天界に導かず、不名誉をもたらすものだ。アルジュナよ。

バガヴァッド・ギーター第2章第1節

2010.03.05 Friday

संजय उवाच ।
saṁjaya uvāca |
サンジャヤ ウヴァーチャ
サンジャヤは言った


saṁjayas【男性・単数・主格】サンジャヤは。ドリタラーシュトラ王に仕える吟唱詩人。
uvāca【三人称・単数・パラスマイパダ・完了 √vac】彼は言った、彼は語った

तं तथा कृपयाविष्टम्
taṁ tathā kṛpayāviṣṭam
タン タター クリパヤーヴィシュタム
このように悲しみに打ちひしがれた彼に


tam【男性・単数・対格、指示代名詞 tad】彼に
tathā【副詞】このように、そのように
kṛpayā【女性・単数・具格】哀れみによって、同情によって、慈悲によって、悲哀によって
āviṣṭam【男性・単数・対格、過去受動分詞 ā√viś】沈み込んだ、打ちひしがれた、取りつかれた、~で悩んだ

अश्रुपूर्णाकुलेक्षणम् ।
aśrupūrṇākulekṣaṇam |
アシュルプールナークレークシャナム
涙に満ちて曇った眼をした


aśru【中性】涙
pūrṇa【過去受動分詞 √pṛ】満たされた、満ちた
ākula【形容詞】うつむいた、意気消沈した、困惑した、混乱した
īkṣaṇam【中性・単数・対格 √īkṣ(見る)から派生した名詞】眼;光景、外観;視察、見ること
→aśrupūrṇākulekṣaṇam【中性・単数・対格、所有複合語】涙に満ちてうつむいた眼をした、涙に満ちて曇った眼の

विषीदन्तम् इदं वाक्यम्
viṣīdantam idaṁ vākyam
ヴィシーダンタム イダン ヴァーキヤム
沈み込んでいる、この言葉を


viṣīdantam【中性・単数・対格、現在分詞 vi√sad】絶望している、落胆している、失望している、沈み込んでいる、疲れ切っている
idam【中性・単数・対格、指示代名詞 idam】これを
vākyam【中性・単数・対格】言葉を、話を

उवाच मधुसूदनः ॥
uvāca madhusūdanaḥ ||
ウヴァーチャ マドゥスーダナハ
クリシュナは語った


uvāca【三人称・単数・パラスマイパダ・完了 √vac】彼は言った、彼は語った
madhusūdanas【男性・単数・主格】マドゥスーダナは。クリシュナの別名。名前は「(悪魔)マドゥを殺す者」の意。

संजय उवाच ।
तं तथा कृपयाविष्टमश्रुपूर्णाकुलेक्षणम् ।
विषीदन्तमिदं वाक्यमुवाच मधुसूदनः ॥ १ ॥

saṁjaya uvāca |
taṁ tathā kṛpayāviṣṭamaśrupūrṇākulekṣaṇam |
viṣīdantamidaṁ vākyamuvāca madhusūdanaḥ || 1 ||
サンジャヤは言いました。
このように悲しみに打ちひしがれて沈み込み、涙に満ちた眼を曇らせる彼に
クリシュナは次のように語りました。
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