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バガヴァッド・ギーター第2章第34節

2010.04.18 Sunday

अकीर्तिं चापि भूतानि
akīrtiṁ cāpi bhūtāni
アキールティン チャーピ ブーターニ
また人々は、不名誉を


akīrtim【女性・単数・対格】不名誉を、汚名を、悪名を、悪評を
ca【接続詞】そして、また、~と
api【不変化辞】さらに、また、同様に;されど、なお
bhūtāni【中性・複数・主格】存在物[神・人・動物および植物を含む]は;被創造物は;万物は;世界は

कथयिष्यन्ति ते ऽव्ययाम् ।
kathayiṣyanti te 'vyayām |
カタイッシャンティ テー ヴィヤヤーム
語るだろう、あなたの消えることのない


kathayiṣyanti【三人称・複数・パラスマイパダ・未来 √kath】[彼らは]語るだろう、話すだろう;物語るだろう;告ぐだろう、報告するだろう;説明するだろう
te【単数・属格、二人称代名詞 tvad】あなたの
vyayām【女性・単数・対格】不滅の、不変の;慳貪の

संभावितस्य चाकीर्तिर्
saṁbhāvitasya cākīrtir
サンバーヴィタッスヤ チャーキールティル
そして、名誉ある人にとって、不名誉は


saṁbhāvitasya【男性・単数・属格、過去受動分詞、使役活用 sam√bhū】尊敬されている人にとって、敬意を表されている人にとって、名高い人にとって
ca【接続詞】そして、また、~と
akīrtim【女性・単数・主格】不名誉は、汚名は、悪名は、悪評は

मरणाद् अतिरिच्यते ॥
maraṇād atiricyate ||
マラナード アティリッチャテー
死よりも劣る


maraṇāt【中性・単数・従格】死ぬことより;死より;死滅より、停止より
atiricyate【三人称・単数・アートマネーパダ・現在 ati√ric】[それは]追い越す、超える、凌駕する;卓越する;支配する;過多である、余す;さらに善い(悪い)

अकीर्तिं चापि भूतानि कथयिष्यन्ति तेऽव्ययाम् ।
संभावितस्य चाकीर्तिर्मरणादतिरिच्यते ॥ ३४ ॥

akīrtiṁ cāpi bhūtāni kathayiṣyanti te'vyayām |
saṁbhāvitasya cākīrtirmaraṇādatiricyate || 34 ||
また人々は、あなたの消えることのない不名誉を語り継ぐだろう。
そして、名誉ある人にとって、不名誉は死よりも劣る。

バガヴァッド・ギーター第2章第33節

2010.04.17 Saturday

अथ चेत् त्वम् इमं धर्म्यं
atha cet tvam imaṁ dharmyaṁ
アタ チェート トヴァム イマン ダルミヤン
だが、もしあなたがこの高潔な


atha【接続詞】さて、また、そして、それから;もし
ced【接続詞】そして、;時に;~もまた、さえも;もし~ならば
→atha ced:しかしもし、だがもし、またもし
tvam【単数・主格、二人称代名詞 tvad】あなたは
imam【男性・単数・対格】この
dharmyam【中性・単数・対格】合法の、適法の;普通の、慣習となっている;正当の、正直な;高潔な、有徳の、正義の

संग्रामं न करिष्यसि ।
saṁgrāmaṁ na kariṣyasi |
サングラーマン ナ カリッシャシ
戦いを行わないならば


saṁgrāmam【男性・単数・対格】集合を、群衆を、軍隊を;戦争を、戦いを、合戦を
na【否定辞】~でない
kariṣyasi【二人称・単数・パラスマイパダ・未来 √kṛ】[あなたは]為すだろう、するだろう、行うだろう、作るだろう

ततः स्वधर्मं कीर्तिं च
tataḥ svadharmaṁ kīrtiṁ ca
タタハ スヴァダルマン キールティン チャ
その時は、自分の義務と名誉を


tatas【副詞】そこで、それから、その後、すると、その時
svadharmam【男性・単数・対格】自己の権利を;自分の義務を;自分の属するカーストの義務を
kīrtim【女性・単数・対格】名誉を、名声を、栄光を、賞賛を;陳述を、記載を
ca【接続詞】そして、また、~と

हित्वा पापम् अवाप्स्यसि ॥
hitvā pāpam avāpsyasi ||
ヒットヴァー パーパム アヴァープスヤシ
捨てて、あなたは罪悪を得るだろう


hitvā【絶対分詞 √hā】捨てて、放棄して、諦めて、断念して、見捨てて
pāpam【中性・単数・対格】罪を、悪を、不正を、悪事を
avāpsyasi【二人称・単数・パラスマイパダ・未来 ava√āp】[あなたは~だろう]獲得する、得る、入手する;(非難、不和、苦痛等を)被る、苦しむ

अथ चेत्त्वमिमं धर्म्यं संग्रामं न करिष्यसि ।
ततः स्वधर्मं कीर्तिं च हित्वा पापमवाप्स्यसि ॥ ३३ ॥

atha cettvamimaṁ dharmyaṁ saṁgrāmaṁ na kariṣyasi |
tataḥ svadharmaṁ kīrtiṁ ca hitvā pāpamavāpsyasi || 33 ||
だが、もしあなたがこの高潔な戦いを行わないならば、
あなたは自分の義務と名誉を捨てて、罪悪を得るだろう。

バガヴァッド・ギーター第2章第32節

2010.04.16 Friday

यदृच्छया चोपपन्नं
yadṛcchayā copapannaṁ
ヤドリッチャヤー コーパパンナン
はからずも到来した


yadṛcchayā【女性・単数・具格/副詞】偶然に、はからずも;自然に;不意に
ca【接続詞】そして、また、~と
upapannam【中性・単数・対格、過去受動分詞 upa√pad】起こった、なった、到達した;獲得した;入手した、発生した、到来した;存在した;与えられた

स्वर्गद्वारम् अपावृतम् ।
svargadvāram apāvṛtam |
スヴァルガドヴァーラム アパーヴリタム
開かれた天界の門に


svarga【男性】天界、天国、天上界
dvāram【中性・単数・対格】門に、門扉に、扉に
→svargadvāram【中性・単数・対格、限定複合語】天界の門に、天国の扉に、天門に
※クシャトリヤは、戦場で殉職すると、天界へ行くと信じられていた(上村勝彦注)
※upapannam svargadvāram apāvṛtamは、同格のyuddhamを修飾している
apāvṛtam【中性・単数・対格、過去受動分詞 apa-ā√vṛ】開かれた、閉じられない

सुखिनः क्षत्रियाः पार्थ
sukhinaḥ kṣatriyāḥ pārtha
スキナハ クシャトリヤーハ パールタ
幸福な武士が、アルジュナよ


sukhinas【男性・複数・主格】幸福な、楽しい、嬉しい、快適な、愉快な
kṣatriyās【男性・複数・主格】クシャトリヤ(王族、士族)が、武士が、支配者が
pārtha【男性・単数・呼格】プリターの息子よ。アルジュナのこと。

लभन्ते युद्धम् ईदॄशम् ॥
labhante yuddham īdṝśam ||
ラバンテー ユッダム イードリシャム
そのような戦いに遭遇する


labhante【三人称・複数・アートマネーパダ・現在 √labh】[彼らは]捕らえる、遭遇する、発見する;看取する;取得する、獲得する、受け取る
yuddham【中性・単数・対格】戦いに、戦闘に
īdṝśam【中性・単数・対格】そのような、そのような状態の、そのような場合の

यदृच्छया चोपपन्नं स्वर्गद्वारमपावृतम् ।
सुखिनः क्षत्रियाः पार्थ लभन्ते युद्धमीदॄशम् ॥ ३२ ॥

yadṛcchayā copapannaṁ svargadvāramapāvṛtam |
sukhinaḥ kṣatriyāḥ pārtha labhante yuddhamīdṝśam || 32 ||
はからずも到来した、開かれた天門に通じる戦い――
アルジュナよ、幸福な武士のみが、そのような戦いに遭遇する。

バガヴァッド・ギーター第2章第31節

2010.04.14 Wednesday

स्वधर्मम् अपि चावेक्ष्य
svadharmam api cāvekṣya
スヴァダルマム アピ チャーヴェークシャ
さらにまた、自分の義務を考慮しても


svadharmam【男性・単数・対格】自己の権利を;自分の義務を;自分の属するカーストの義務を
api【不変化辞】さらに、また、同様に;されど、なお
ca【接続詞】そして、また、~と
→api ca:さらにまた、同様に、~も~も
avekṣya【絶対分詞 ava√īkṣ】見て;観察して;注意して、熟慮して、考えて;経験して

न विकम्पितुम् अर्हसि ।
na vikampitum arhasi |
ナ ヴィカムピトゥム アルハシ
あなたはおののくべきではない


na【否定辞】~でない
vikampitum【不定詞 vi√kamp】(身体が)震えること、身震いすること、おののくこと、戦慄すること
arhasi【二人称・単数・パラスマイパダ・現在 √arh】[あなたは]~できる、資格がある、権利がある;価値がある、匹敵する

धर्म्याद्धि युद्धाच्छ्रेयो ऽन्यत्
dharmyāddhi yuddhācchreyo 'nyat
ダルミヤーッディ ユッダーッチュレーヨー ニヤット
なぜならば、高潔な戦いより優れた他のものは


dharmyāt【中性・単数・従格、dharmya】合法の、適法の;普通の、慣習となっている;正当の、正直な;高潔な、有徳の、正義の
hi【不変化辞】なぜならば、~のために;真に、確かに、実に
yuddhāt【中性・単数・従格】戦いより、戦闘より、戦争より
śreyas【中性・単数・主格、比較級】より良い、より優れた、より幸せな
anyat【中性・単数・主格】他の、別の、異なる

क्षत्रियस्य न विद्यते ॥
kṣatriyasya na vidyate ||
クシャトリヤッスヤ ナ ヴッディヤテー
武士にとって、存在しない


kṣatriyasya【男性・単数・属格】クシャトリヤ(王族、士族)にとって、武士にとって、支配者にとって
na【否定辞】~でない
vidyate【三人称・単数・現在・受動活用 √vid】[それは]ある、存在する、見られる

स्वधर्ममपि चावेक्ष्य न विकम्पितुमर्हसि ।
धर्म्याद्धि युद्धाच्छ्रेयोऽन्यत्क्षत्रियस्य न विद्यते ॥ ३१ ॥

svadharmamapi cāvekṣya na vikampitumarhasi |
dharmyāddhi yuddhācchreyo'nyatkṣatriyasya na vidyate || 31 ||
さらにまた、自分の義務を考慮しても、あなたはおののくべきではない。
なぜならば、武士にとって、高潔な戦いに勝るものは他にないからだ。

バガヴァッド・ギーター第2章第30節

2010.04.13 Tuesday

देही नित्यम् अवध्यो ऽयं
dehī nityam avadhyo 'yaṁ
デーヒー ニッティヤン アヴァッディヨー ヤン
この個我は常に殺されることがない


dehī【男性・単数・主格】人間は;(肉体をそなえた)精神は、魂は;個我は、自我は
nityam【副詞】恒久的に、不易に、常に;不変に
avadhyas【男性・単数・主格、未来受動分詞(動詞的形容詞、義務分詞) a√vadh】犯し難い、殺されない、不可殺の
ayam【男性・単数・主格、指示代名詞 idam】これは、これが

देहे सर्वस्य भारत ।
dehe sarvasya bhārata |
デーヘー サルヴァッスヤ バーラタ
すべての身体において、アルジュナよ


dehe【男性・中性・単数・処格】身体において、肉体において
sarvasya【男性・単数・属格】すべての、一切の、各々の;全体の
bhārata【男性・単数・呼格】バラタの子孫よ。ここではアルジュナのことを指す。

तस्मात् सर्वाणि भूतानि
tasmāt sarvāṇi bhūtāni
タスマート サルヴァーニ ブーターニ
それゆえ、一切万物を


tasmāt【男性・中性・単数・従格、指示代名詞 tad】それ故に、そのために、したがって、だから、その結果
sarvāṇi【中性・複数・対格】すべての、一切の、各々の;全体の
bhūtāni【中性・複数・対格】存在物[神・人・動物および植物を含む]を;被創造物を;万物を;世界を

न त्वं शोचितुम् अर्हसि ॥
na tvaṁ śocitum arhasi ||
ナ トヴァン ショーチトゥム アルハシ
あなたは嘆くべきではない


na【否定辞】~でない
tvam【単数・主格、二人称代名詞 tvad】あなたは
śocitum【不定詞 √śuc】嘆くこと、悲しむこと
arhasi【二人称・単数・パラスマイパダ・現在 √arh】[あなたは]~できる、資格がある、権利がある;価値がある、匹敵する

देही नित्यमवध्योऽयं देहे सर्वस्य भारत ।
तस्मात्सर्वाणि भूतानि न त्वं शोचितुमर्हसि ॥ ३० ॥

dehī nityamavadhyo'yaṁ dehe sarvasya bhārata |
tasmātsarvāṇi bhūtāni na tvaṁ śocitumarhasi || 30 ||
アルジュナよ、すべての人の身体に宿るこの個我は、常に殺されることがない。
それゆえ、あなたは万物について嘆くべきではない。


※この詩節は、場面を戦場に借りて、高等な観点から個我の非能動性・不可殺性を強調し、
併せてアルジュナに利己心のない本務の遂行を想起させるためのものである。
利己的動機による戦争や殺傷を容認・正当化するものではない(辻直四郎注)。
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