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バガヴァッド・ギーター第2章第51節

2010.06.14 Monday

कर्मजं बुद्धियुक्ता हि
karmajaṁ buddhiyuktā hi
カルマジャン ブッディユクター ヒ
なぜならば、知性を備えた人々は、行為から生ずる


karmajam【中性・単数・対格、karma√ja】行為より生ずる、行為に原因する
buddhiyuktās【男性・複数・主格、過去受動分詞 √yuj、限定複合語】知能に恵まれた人々は、理解力のある人々は、知性を備えた人々は、心統一した人々は、心を修練した人々は、心の修練を修めた人々は
hi【不変化辞】なぜならば、~のために;真に、確かに、実に

फलं त्यक्त्वा मनीषिणः ।
phalaṁ tyaktvā manīṣiṇaḥ |
パラン ティヤクトヴァー マニーシナハ
結果を捨てて、賢い(人々は)


phalam【中性・単数・対格】果実を;結果を;報いを、報酬を、利益を、果報を
tyaktvā【絶対分詞 √tyaj】捨てて、離して、手放して、放棄して
manīṣiṇas【男性・複数・主格、manīṣin】思慮のある、賢い、霊感ある;祈祷する、敬虔な

जन्मबन्धविनिर्मुक्ताः
janmabandhavinirmuktāḥ
ジャンマバンダヴィニルムクターハ
生の束縛から解放され


janma【中性】誕生、産出;出現;再生
bandha【男性】束縛;捕獲;禁固、投獄、監禁;阻止、抑止
vinirmuktās【男性・複数・主格、vinirmukta、過去受動分詞 vi-nir√muc】~から自由になった、~から免れた;放たれた、発射された
→janmabandhavinirmuktās【男性・複数・主格】生の束縛から自由になった、輪廻の束縛から解放された

पदं गच्छन्त्य् अनामयम् ॥
padaṁ gacchanty anāmayam ||
パダン ガッチャンティ アナーマヤム
彼らはわずらいのない境地に達する


padam【中性・単数・対格、pada】足跡に;目標に;足場に、場所に、住所に、住家に;立場に、位置に、部署に;品位に、地位に;対象に
gacchanti【三人称・複数・パラスマイパダ・現在 √gam】[彼らは]行く、動く、歩む;去る、来る;止む、死す;~に近づく、~に達する、~を得る
anāmayam【中性・単数・対格、anāmaya】致命的でない;健康な、よい;有益な

कर्मजं बुद्धियुक्ता हि फलं त्यक्त्वा मनीषिणः ।
जन्मबन्धविनिर्मुक्ताः पदं गच्छन्त्यनामयम् ॥ ५१ ॥

karmajaṁ buddhiyuktā hi phalaṁ tyaktvā manīṣiṇaḥ |
janmabandhavinirmuktāḥ padaṁ gacchantyanāmayam || 51 ||
知性を備えた賢者たちは、行為から生ずる結果を捨てて、
生の束縛から解放され、わずらいのない境地に達する。

バガヴァッド・ギーター第2章50節

2010.06.10 Thursday

बुद्धियुक्तो जहातीह
buddhiyukto jahātīha
ブッディユクトー ジャハーティーハ
知性を備えた人は、この世で捨てる


buddhiyuktas【男性・単数・主格、過去受動分詞 √yuj、限定複合語】知能に恵まれた人は、理解力のある人は、知性を備えた人は、心統一した人は、心を修練した人は、心の修練を修めた人は
jahāti【三人称・単数・パラスマイパダ・現在 √hā】[彼は]捨てる、放棄する、諦める、断念する、見捨てる
iha【副詞】ここで[へ・に];この世で、地上で

उभे सुकृतदुष्कृते ।
ubhe sukṛtaduṣkṛte |
ウベー スクリタドゥシュクリテー
善行と悪行の両方を


ubhe【中性・両数・対格、ubha】両方を、両者を
sukṛta【中性】善行、功徳ある行為、正義、徳行、道徳的功徳
duṣkṛte【中性・両数・対格、duṣkṛta】悪行、悪く為された;悪い、邪悪な
→sukṛtaduṣkṛte【中性・両数・対格】善行と悪行を、善業と悪業を

तस्माद् योगाय युज्यस्व
tasmād yogāya yujyasva
タスマード ヨーガーヤ ユッジャスヴァ
したがって、あなたはヨーガに専念せよ


tasmāt【男性・中性・単数・従格、指示代名詞 tad】それ故に、そのために、したがって、だから、その結果
yogāya【男性・単数・為格】ヨーガに;実修に;精神の集中に、瞑想に
yujyasva【二人称・単数・アートマネーパダ・命令法 √yuj】[あなたは]集中せよ、専心せよ、熱中せよ;結合せよ、接合せよ、連合せよ;関係せよ;獲得せよ

योगः कर्मसु कौशलम् ॥
yogaḥ karmasu kauśalam ||
ヨーガハ カルマス カウシャラム
ヨーガは、行為における巧妙さである


yogas【男性・単数・主格】ヨーガは;実修は;精神の集中は、瞑想は
karmasu【中性・複数・処格、karman】行為における、作業における;運命における、業における
kauśalam【中性・単数・主格・対格、kauśala】幸福、幸運、繁栄;(処格)における熟練、賢明、経験
※karmasu kauśalam:ヨーガの第二の定義。単なる行為における巧妙さでも、行における巧妙さでもない。文脈からして、行為者が知性を確立し、行為の結果を顧みず行為に専心すれば、平等の境地に達し得ることを、「巧妙さ」という語で表現したものである。第一の定義(ヨーガは平等の境地である(2.48))と矛盾するものではない。(上村勝彦注)

बुद्धियुक्तो जहातीह उभे सुकृतदुष्कृते ।
तस्माद्योगाय युज्यस्व योगः कर्मसु कौशलम् ॥ ५० ॥

buddhiyukto jahātīha ubhe sukṛtaduṣkṛte |
tasmādyogāya yujyasva yogaḥ karmasu kauśalam || 50 ||
知性を備えた人は、この世で、善行と悪行の両方を捨てる。
したがって、あなたはヨーガを修めなさい。ヨーガは、行為における巧妙さである。

バガヴァッド・ギーター第2章第49節

2010.06.05 Saturday

दूरेण ह्यवरं कर्म
dūreṇa hyavaraṁ karma
ドゥーレーナ ヒヤヴァラン カルマ
実に、行為は遙かに劣る


d?reṇa【中性・単数・具格、d?ra】遙かに離れて;遠く隔たって;遙かに
hi【不変化辞】なぜならば、~のために;真に、確かに、実に
avaram【中性・単数・主格】より低い、下位の、重要でない;低い、卑しい;次の、後の、より若い;より近い;西の
karma【中性・単数・主格】行為、作業;作用、職業;儀式;結果;運命(前世に行った行為の結果)、業

बुद्धियोगाद् धनंजय ।
buddhiyogād dhanaṁjaya |
ブッディヨーガード ダナンジャヤ
知性のヨーガより、アルジュナよ


buddhiyog?t【男性・単数・従格、限定複合語】知性のヨーガより、心の修練より、心の実修より
※行為と誠信の実修に必要な心的態度を指し、結果を期待しない行為をいう。すなわち、前述の成功・不成功に対して心を平等に保つ心統一を意味する。(宇野惇注)
dhanaṁjaya【男性・単数・呼格】ダナンジャヤよ。アルジュナの別名。名前は「富の征服者」の意。

बुद्धौ शरणम् अन्विच्छ
buddhau śaraṇam anviccha
ブッダウ シャラナム アンヴィッチャ
知性に庇護を求めよ


buddhau【女性・単数・処格、buddhi】知性において、精神において、心において、理性において
?araṇam【中性・単数・対格】庇護物、小屋、住み家;保護、避難;~の許に避難すること、~を求めて避難すること、庇護を求めて
anviccha【二人称・単数・パラスマイパダ・命令 anu√iṣ】[あなたは]探せ、捜索せよ、見抜け;試みよ;求めよ

कृपणाः फलहेतवः ॥
kṛpaṇāḥ phalahetavaḥ ||
クリパナーハ パラヘータヴァハ
結果を動機とする者は哀れである


kṛpaṇ?s【男性・複数・主格】哀しい;哀れな、憐れむべき;欲深い
phala【中性】果実;(果実の)核;結果;報い、報酬、利益、果報;報復、罰、損失、不利益;利得、享受;代償
hetavas【男性・複数・主格、hetu】~の原因・動機・理由
→phalahetavas【男性・複数・主格、所有複合語】結果を動機とする者たちは、果報を動機とする者たちは

दूरेण ह्यवरं कर्म बुद्धियोगाद्धनंजय ।
बुद्धौ शरणमन्विच्छ कृपणाः फलहेतवः ॥ ४९ ॥

dūreṇa hyavaraṁ karma buddhiyogāddhanaṁjaya |
buddhau śaraṇamanviccha kṛpaṇāḥ phalahetavaḥ || 49 ||
アルジュナよ、実に、単なる行為は、知性のヨーガよりも遙かに劣る。
知性を拠り所としなさい。結果を動機とする者は哀れである。

バガヴァッド・ギーター第2章第48節

2010.05.29 Saturday

योगस्थः कुरु कर्माणि
yogasthaḥ kuru karmāṇi
ヨーガスタハ クル カルマーニ
ヨーガに立脚し、行為をなせ


yoga【男性】ヨーガ;実修;精神の集中、瞑想
sthas【男性・単数・主格】立っている、存在している、ある;に専念した、に従事した、~を実践する
→yogastha【男性・単数・主格】ヨーガに立脚した、ヨーガに熱中した、ヨーガに依止した
kuru【二人称・単数・パラスマイパダ・命令 √kṛ】[あなたは]作れ、為せ、行え
karmāṇi【中性・複数・対格】行為を、作業を

सङ्गं त्यक्त्वा धनंजय ।
saṅgaṁ tyaktvā dhanaṁjaya |
サンガン ティヤクトヴァー ダナンジャヤ
執着を捨てて、アルジュナよ


saṅgam【男性・単数・対格】粘着を、妨害を;~に執着することを、~に接触することを
tyaktvā【絶対分詞 √tyaj】捨てて、離して、手放して、放棄して
dhanaṁjaya【男性・単数・呼格】ダナンジャヤよ。アルジュナの別名。名前は「富の征服者」の意。

सिद्ध्यसिद्ध्योः समो भूत्वा
siddhyasiddhyoḥ samo bhūtvā
シッディヤシッディヨーホ サモー ブートヴァー
成功と失敗を等しく見て


siddhi【女性】完成、遂行、履行、完全なる達成、成功
asiddhyos【女性・両数・処格、asiddhi】不成就において;失敗において、不成功において;不確定において
→siddhyasiddhyos【女性・両数・処格】成功と不成功において、成功と失敗において
samas【男性・単数・主格】~に関して類似の・似た・等しい・同等の・同じ・同一の;不変の;中等の
bhūtvā【絶対分詞 √bhū】あって、存在して、なって、生じて

समत्वं योग उच्यते ॥
samatvaṁ yoga ucyate ||
サマットヴァン ヨーガ ウッチャテー
ヨーガは平等の境地であると言われる


samatvam【中性・単数・主格、samatva】と等しいこと;平静;平等;~に対する一様な行為;正常
※平等の境地(samatva)―ここにヨーガの第一の定義が説かれる。「平等の境地」は、決定(けつじょう)を性とする知性により到達される、一切を同一のものと見る超越的な状態である。それは解脱の境地であり、輪廻から脱し、絶対者ブラフマンと合一した状態である。(上村勝彦注)
yogas【男性・単数・主格】ヨーガ;実修;精神の集中、瞑想
ucyate【三人称・単数・現在・受動活用 √vac】[それは]言われる、話される

योगस्थः कुरु कर्माणि सङ्गं त्यक्त्वा धनंजय ।
सिद्ध्यसिद्ध्योः समो भूत्वा समत्वं योग उच्यते ॥ ४८ ॥

yogasthaḥ kuru karmāṇi saṅgaṁ tyaktvā dhanaṁjaya |
siddhyasiddhyoḥ samo bhūtvā samatvaṁ yoga ucyate || 48 ||
アルジュナよ、ヨーガに立脚し、執着を捨て、成功と失敗を等しく見て、行為をしなさい。
ヨーガは平等の境地であると言われる。

バガヴァッド・ギーター第2章第47節

2010.05.27 Thursday

कर्मण्येवाधिकारस्ते
karmaṇyevādhikāraste
カルマニエーヴァーディカーラステー
あなたの権利は実に行為に向け


karmaṇi【中性・単数・処格、karman】行為において、作業において
eva【副詞】実に、真に(強意を表す。しばしば虚辞として使用)
adhikāras【男性・単数・主格】支配、統治、統御、権威;官職、地位、威厳;統治権;特権;(処格)に対する欲求;(処格)に対する努力
te【単数・属格、二人称代名詞 tvad】あなたの

मा फलेषु कदाचन ।
mā phaleṣu kadācana |
マー パレーシュ カダーチャナ
決して結果に向けてはならない


mā【禁止の副詞・接続詞】~するな、~することのないように
phaleṣu【中性・複数・処格、phala】果実において;結果において;報いにおいて
kadācana【副詞、疑問副詞kadā + 不変化辞cana】ある時、かつて、ある日、いつか
→mā ~ kadācana:決して~するな

मा कर्मफलहेतुर् भूर्
mā karmaphalahetur bhūr
マー カルマパラヘートゥル ブール
行為の結果を動機としてはいけない


mā【禁止の副詞・接続詞】~するな、~することのないように
karmaphala【中性】行為の果実、行為の結果
hetus【男性・単数・主格】~の原因・動機・理由
→karmaphalahetus【男性・単数・主格、限定複合語】行為の結果を動機とすること、行為の結果の原因
bhūs【二人称・単数・パラスマイパダ・アオリスト √bhū】[あなたは]~になった、~した

मा ते सङ्गो ऽस्त्व् अकर्मणि ॥
mā te saṅgo 'stv akarmaṇi ||
マー テー サンゴー ストゥヴ アカルマニ
無為において、あなたの執着があってはならない


mā【禁止の副詞・接続詞】~するな、~することのないように
te【単数・属格、二人称代名詞 tvad】あなたの
saṅgas【男性・単数・主格】粘着、妨害;~に執着または接触すること
astu【三人称・単数・パラスマイパダ・命令 √as】[それは]あれ、存在しろ
akarmaṇi【中性・単数・処格】無為において、無行為において、非動作において

कर्मण्येवाधिकारस्ते मा फलेषु कदाचन ।
मा कर्मफलहेतुर्भूर्मा ते सङ्गोऽस्त्वकर्मणि ॥ ४७ ॥

karmaṇyevādhikāraste mā phaleṣu kadācana |
mā karmaphalaheturbhūrmā te saṅgo'stvakarmaṇi || 47 ||
あなたの関心を行為のみに向けなさい。決して結果に向けてはならない。
行為の結果を動機としてはいけない。また行為しないことに執着してもいけない。


※人間は定められた行為を行わなければならない。ただし、結果(果報)を顧みず、ひたすら無償の行為を行うべきである。これが『ギーター』の主題である。(上村勝彦注)
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