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真我と現象世界

2012.04.11 Wednesday

二元論を学びながら目の前で展開される世界には、実に興味深いものがあります。例えば、エクササイズ的な体を動かすヨーガが世の中に定着する今、人々はなぜここまで肉体というものに引き込まれるのか、それが単に物質の次元ではなく、精神に働きかけるものであるからと言うことを、改めてここで実感することがあります。

ヨーガのアーサナは、自分の肉体というプラクリティを通して真我というプルシャに気づく機会でもあるとそう述べる人もいるように、肉体という物質の世界の中で、究極的に経験する心地よさや痛みは、様々な現象を与えながら私たちに静かに語りかけます。それは、好きや嫌い、喜びや苦しみ、称賛や非難といった、心の中で繰り返される戦いを客観的に見る術を示すようなものかもしれません。

なぜその戦いが生み出され、そしてその戦いの場で自分は何をしているのか。

強靭さと柔軟性を必要とするアーサナの修練では、その戦いと向かい合う一方で、過去にも未来にも行くことができない今と言う瞬間に完全に留まらねばならない集中力を要します。そして心に戦いがあり続ける時、それは痛みや不安となって現れあっという間にバランスを失い、その戦いを静めようと気がつけば全力を注いでいる自分がいます。

それは、日常生活の中でも同じことのように思います。日々の生活の中に生み出される不安定さは、物質を通して経験する心の波です。それこそが自我であり、プラクリティの現れであり、それを拭い去ることがヨーガの目的そのものです。

心の動きに惑わされ引き込まれることによって苦悩を経験している私たちは、それを客観的に見つめる術が時に必要となります。体を動かすエクササイズ的なヨーガが広く伝えられるのは、肉体と言うもっとも感じやすい世界を通して、きっとその心の働きが落ち着く感覚を多くの人が経験しているからに違いありません。

私自身今日もこうして、肉体と心から無意識に、そして常に現れる様々な動きを、ヨーガを通してじっくりと観察しながら二つのものの均衡を保つ修練を続けています。

(文章:ひるま)

コラム上ヨーガ講座・ウッジャーイー・プラーナーヤーマ

2012.04.11 Wednesday

ウッジャーイー・プラーナーヤーマは、吐く息とともに寝息のような音を出す呼吸法です(吸う息でも出す場合もあります)。
ウッジャイには「勝利」という意味があり、ジャイ・ルドラークシャ(16面ルドラークシャ)の「ジャイ」と同じ意味だと思われます。
この呼吸法で出す音は、当然のことながら喉の形をコントロールして音を出すわけですが、頭頂から息を抜くような感じや、みけんから息を出すような感じ、あるいは頭蓋に息を当てるような感じ、などをイメージすると良くできる可能性があります。

ウッジャーイー・プラーナーヤーマはポピュラーな呼吸法なので、インドのヨーガのアーシュラムをはじめ日本などでも良く行われています。
しかし、インドのアーシュラムなどで拝見する限り、本質的な意味で正しく効果的に実践されている方はあまり多くありません。
残念なことに指導者であっても出来ていないということもあります。

実はこの呼吸法は、本来グル(師)が行うやり方を、近くで見て真似をし、師の音に自分の呼吸の音を少しづつ近づけていく、という方法をとらないと、なかなか習得は難しいのです。
私もヨーガの師が実践する数少ない機会に、なるべく近くで聞いて、長い年月をかけて習得しました。

極論を言えば、この呼吸法(だけではありませんが)を確実にマスターするためには、伝統的な一人の師が少人数の弟子を育てるという方式で学ぶのがベストということになります。
ただ、伝統的なやり方では、現代ではヒマラヤのアカーラ(僧団)にでも所属しない限り難しいと思います。

しかし、中にはそのような方法で習得されていないにも関わらず、正しく効果的に実践されている方々もおられます。
そのような方々に共通しているのは「繊細に」実践されているということです。自分の体を観察して繊細に実践することは、ヨーガの基本であり、極意でもあります。
これは非常に重要です。
どなたでも、繊細にアプローチをすることによって、上記にのような条件でなくとも習得の可能性は大きく高まります。

ウッジャーイー・プラーナーヤーマには、洞察力を高める効果があります。また自分の体質に合った食傾向になるという利点もあります。
私は、この呼吸法を実践して、肉や魚が食べられなくなり、以来20年ほど一切口にしておりません。
もちろん「肉も魚が食べられなくなる」というのはかなり特異体質ですので、実践してもそうなる方はめったにおられないので安心していただきたのですが、肉より魚が好きになるという方は多いです。
きっと日本人の体質に合っているのだと思います。体質に合った食生活は、心身の健康をもたらします。

繊細に実践し、マスターしていただきたい呼吸法です。

(文章:ガネーシャ・ギリ)

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「ガネーシャ・ギリによるインド占星術鑑定」
http://sitarama.jp/?pid=27375902

「ガネーシャ・ギリによるヨーガクラス」
http://sitarama.jp/?pid=30583238
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バガヴァッド・ギーター第4章第31節

2012.04.08 Sunday

インド古典中もっとも有名なバガヴァッド・ギーターの原典講読です。
インドの霊的文化の支柱となる本書を、サンスクリット語の学習をしながらお楽しみください。

यज्ञशिष्टामृतभुजो
yajñaśiṣṭāmṛtabhujo
ヤジュニャシシュタームリタブジョー
祭祀の残饌という甘露を味わう者たちは


yajñaśiṣṭa【中性】祭式の供物の残余、祭祀の残饌
amṛta【中性】不死;不滅者の世界;諸神の飲料、神酒、甘露;療治(の一種);薬;供儀の残物;水;乳;光線
bhujas【女性・複数・主格 bhuj】効用、利益、有利;享受;所有 【形容詞】享受する、食う;耐え忍ぶ、経験する;肉欲的に享楽する;支配する、治める;~の報いを受ける
→yajñaśiṣṭāmṛtabhujas【女性・複数・主格、所有複合語】[~らは、~らが]祭祀の残饌という甘露を享受する、甘露なる祭祀の残饌を味わう

यान्ति ब्रह्म सनातनम् ।
yānti brahma sanātanam |
ヤーンティ ブラフマ サナータナム
永遠のブラフマンに赴く


yānti【三人称・複数・パラスマイパダ・現在 √yā】[彼らは~、それらは~]動く、いく、歩く、赴く;前進する、行進する;従う
brahma【中性・単数・対格 brahman】[~に、~を]聖智に満ちた者、婆羅門;祭官とくにヴェーダ祭式を総監する祭官;ブラフマンを神格化した最高神、梵天、宇宙の創造者として保持者ヴィシュヌおよび破壊神シヴァとともにトリムルティを形成する神格;理性
sanātanam【中性・単数・対格 sanātana】永続する、永遠の、永久の、恒常の

नायं लोको ऽस्त्य् अयज्ञस्य
nāyaṁ loko 'sty ayajñasya
ナーヤン ローコー スティ アヤジュニャッスヤ
祭祀を行わない者にとって、この世界は存在しない


na【否定辞】~でない
ayam【男性・単数・主格、指示代名詞 idam】[~は、~が]これ
lokas【男性・単数・主格 loka】[~は、~が]空間、余地、場所;地方、地帯、国;世界、宇宙の区分;天;地;人類、一般の人民、国民;男子(複数);(複)団体、仲間;日常生活、慣例、世事、俗事;視ること
asti【三人称・単数・パラスマイパダ・現在 √as】[彼は~、それは~]ある、存在する、実在する
ayajñasya【男性・単数・属格 ayajña】[~の、~にとって]供犠なきこと;供犠を行わないこと 【形容詞】祭祀を行わない

कुतो ऽन्यः कुरुसत्तम ॥
kuto 'nyaḥ kurusattama ||
クトー ニヤハ クルサッタマ
ましてや他の世界があるだろうか、アルジュナよ


kutas【疑問副詞】誰から、どこから、何故に、どんなふうに、いわんや~をや
anyas【男性・単数・主格 anya】他の、別の
※他の世界:「この世界」は「人間界」であり、天界をも含む。「他の世界」は、ブラフマンの世界、すなわち解脱を指す。(上村勝彦注)
kurusattama【男性・単数・呼格 kurusattama】[~よ]クル族の最上者(アルジュナの別名)

यज्ञशिष्टामृतभुजो यान्ति ब्रह्म सनातनम् ।
नायं लोकोऽस्त्ययज्ञस्य कुतोऽन्यः कुरुसत्तम ॥३१॥

yajñaśiṣṭāmṛtabhujo yānti brahma sanātanam |
nāyaṁ loko'styayajñasya kuto'nyaḥ kurusattama ||31||
祭祀の残饌という甘露を味わう者たちは、永遠のブラフマンに赴く。
祭祀を行わない者に、この世界は存在しない。ましてや他の世界があるだろうか、アルジュナよ。


祭祀の残饌(プラサード)は、敬意の念を持って扱われています。祭祀の残り物である水や食物を口にすることにより、神の恩恵に与り、人々の心や意識が清められると考えられているからです。
この詩節で言われる祭祀の残饌とは、今まで述べられてきた12種類の祭祀(ヤジュニャ)の結果を意味しています。行為にはさまざまな方法がありますが、その行為に真摯に取り組み、自己の行為をブラフマンに捧げる人々は、やがて永遠なるブラフマンに到達できることが説かれています。
一方で、行為しない人は、あらゆる可能性が閉ざされてしまうことが、後半の詩節で述べられています。

世界を見つめるもの

2012.04.04 Wednesday

ヒンドゥー教の哲学の中でも根源的な存在として知られるサーンキャ哲学は、プルシャとプラクリティという二元論を掲げ、ヨーガはその相反するものの間で合一を得るための手段であると述べています。

誰しもの内にある既に悟った存在「プルシャ(真我)」、そしてそこに現れるサットヴァ(純質)、ラジャス(激質)、タマス(鈍質)という3つの性質をもった「プラクリティ(自性)」。これがその二元論の大本です。

3つの性質を持つプラクリティがその均衡を失った時、そこからは様々な現象が現れます。自然、物質、肉体、感覚、その全てにあたるものであり、サーンキャ哲学では、私たちがその現象世界に囚われた状態が苦悩であると述べています。

現象を生み出す3つの質の均衡を保ち、プルシャそのもので在る方法とは何か。それこそがまさにヨーガです。サーンキャ哲学の主唱者でもある聖者パタンジャリが示す経典「ヨーガ・スートラ」には、全てが錯覚であるこの幻想の世界を見るものとしての、プルシャで在る術が事細やかに記されています。

今、私はそのスートラに沿うようにここでの生活を努めています。社会においてすべきではないこと、そしてすべきこと、体を動かして瞑想に耐え得る心と体を作り、生命の源である呼吸を整え、様々な現象を見せる感覚を制御する、そして初めて辿り着く瞑想の境地、その一つ一つのヨーガの行いに日々を捧げながら見えるものは、ただ何にも動じない平穏だけのように思います。それは、私たちがただこの現象社会の中に迷い込んでいるだけだと、それを示す厄介な心の動きにはっと気づかされ、見つめながら微笑むような、そんな感覚でもあります。

好きも嫌いも、良いも悪いも、非難も称賛も、起こりうる現象全てを平等に捉え、そして悩み惑わされないのは、自分がその世界をただ見つめる存在であると気づいているからに違いありません。ヨーガの行いは確実にその境地へと導きます。私たちは既に悟っている、その真実を学ぶために、この人生が見せる様々な世界の中で今私がヨーガを続ける理由のような気がしています。

(文章:ひるま)

バガヴァッド・ギーター第4章第30節

2012.04.01 Sunday

インド古典中もっとも有名なバガヴァッド・ギーターの原典講読です。
インドの霊的文化の支柱となる本書を、サンスクリット語の学習をしながらお楽しみください。

अपरे नियताहाराः
apare niyatāhārāḥ
アパレー ニヤターハーラーハ
他の者たちは、食を制限し


apare【男性・複数・主格 apara】[~らは、~らが]後方の、遙かな;後の、次の;西方の;劣る;他の;卑しい;反対の;奇異の、異常の
niyata【過去受動分詞 ni√yam】(処格)に結ばれた;握りしめられた;阻止された、抑制された;禁止された、中断された;確定された、確立された、固定した;不変な、一定した;制限された;~に専心する
āhārās【男性・複数・主格 āhāra】もたらす、入手する 【名詞】もたらすこと、持ち来ること;食物、糧
→niyatāhārās【男性・複数・主格、所有複合語】[~らは、~らが]食を制限した

प्राणान् प्राणेषु जुह्वति ।
prāṇān prāṇeṣu juhvati |
プラーナーン プラーネーシュ ジュフヴァティ
気息を気息の中に捧げる


prāṇān【男性・単数・対格 prāṇa】[~に、~を]息、呼吸;活力、生気;風気;出息;そよ風、風;気力、精力、力;精神;個人我、全体と一致される宇宙精神;感官
prāṇeṣu【男性・単数・処格 prāṇa】[~において、~のなかで]息、呼吸;活力、生気;風気;出息;そよ風、風;気力、精力、力;精神;個人我、全体と一致される宇宙精神;感官
juhvati【三人称・複数・パラスマイパダ・現在 √hu】[彼らは~、それらは~](火の中に)注ぐ・投げ入れる、捧げる、供える

सर्वे ऽप्येते यज्ञविदो
sarve 'pyete yajñavido
サルヴェー ピエーテー ヤジュニャヴィドー
これらすべての者たちは、祭祀を知り


sarve【男性・複数・主格 sarva】すべての、一切の、あらゆる
api【不変化辞】さらに、また、同様に;されど、なお
ete【男性・複数・主格、指示代名詞 etad】[~らは、~らが]これ
yajñavidas【男性・複数・主格 yajñavid】祭式に通暁した、祭祀を知る

यज्ञक्षपितकल्मषाः ॥
yajñakṣapitakalmaṣāḥ ||
ヤジュニャクシャピタカルマシャーハ
祭祀によって罪過を滅ぼす


yajña【男性】(祈祷または讃歌をもってする)崇拝;祭式の儀礼、祭式
kṣapita【過去受動分詞 √kṣi】破壊された、滅ぼされた、減少した
kalmaṣās【男性・複数・主格 kalmaṣa】汚物;汚点;屑、廃物、沈殿物;道徳的汚点;犯罪、罪過;暗黒
→yajñakṣapitakalmaṣās【男性・複数・主格、所有複合語】[~らは、~らが]祭祀によって罪過を滅ぼした

अपरे नियताहाराः प्राणान्प्राणेषु जुह्वति ।
सर्वेऽप्येते यज्ञविदो यज्ञक्षपितकल्मषाः ॥३०॥

apare niyatāhārāḥ prāṇānprāṇeṣu juhvati |
sarve'pyete yajñavido yajñakṣapitakalmaṣāḥ ||30||
他の者たちは、食を制限し、気息を気息の中に捧げる。
これらは皆、祭祀を知り、祭祀によって罪過を滅ぼす者たちである。


インドでは太古より、欲望を制御し、自己を高めるために断食が行われてきました。古代の聖者たちは、さまざまな食材の栄養素について熟知していただけでなく、個々人の気質や体調などの状況に応じて、摂るべき食材を見分けていたといいます。人々の思考や行動を清め、霊的な生活を送るために、食生活は重要な意味を持っています。
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